「死刑にいたる病」を見てきた

都会に出る用事があったのでついでに映画を見た。

他にも見たい映画があったのではしごをしようかと考えていたが、その日は平日だったので鑑賞料金1900円。あきらめた。

 

向かったのはユナイテッド・シネマ

会場に着いた時は上映時間ギリギリ、というかすでにCMが始まっているところといった時間だったのだが、ダメ元で券売機を操作したら、すでに上映中の映画もチケットを買えるのだった。

 

きょうびはなんでもきっちりしているのでてっきり上映開始前のチケットしか購入できないのだろうと思っていたが、意外と融通が効くのだった。

 

 

R12指定ということで描写はマイルドな方ではないかと思う。死体は映されるが殺害の描写はあっさりめである。

邦画にありがちな「とりあえず怒鳴る」芝居がないのは良かった。

 

高い知能を持ち、不思議に人を魅了する殺人鬼の榛村大和を演じるのは阿部サダヲである。

榛村は頭がいいので、つい口車に乗せられるのはわかるのだが「連続殺人鬼とわかっていてさえ匿いたくなるほどの魅力」というのは感じられなかった。

 

岩田剛典演じる金山という男は幼少期の虐待によるアザを長い髪で隠しているのだが、その設定が漫画的でしっくりはまっていない気がした。

 

主人公筧井雅也が調査員のふりをして聞き込みに行った「榛村の隣人のおじいさん」の演技が一番説得力があった。

 

若い頃の回想シーンを特殊メイクで演じているのだが、そのメイクが不自然で「いっそ顔を映さない演出でどうにかできなかったか…」と煩悶してしまう。実写映画の難しいところである。

 

公式で「映画史に残る驚愕のラスト」と謳われているが、そこまで榛村に操られていたのか、というサプライズはあっても「でも男と華奢な女なら大概男のほうが腕力で勝つしな」というのであまりハラハラ感が抱けなかった。