楳図かずお大芸術展に行った

福岡三越にて3月17日まで開催される「楳図かずお大芸術展」へ行ってきた。

自分や他のお客さんが写り込まないように気をつけたため、変な撮り方なのはご容赦願いたい



101点のアクリル絵画と、それらを漫画用原稿用紙に鉛筆で描いたもの。

 

鉛筆画ではいくつもの消しゴムで消した筆跡が確認でき、101枚の絵画の中で重要なキャラクターである「マダム女王」がもとは「マダム朝顔」という名前だったことや、作品のなかに書き込まれたセリフが、おなじ文言でもどこに配置するかにこだわり何度も書き直されていることが見て取れる。

 

楳図かずおのような天才型でもはじめから完璧な脳内イメージをそのまま紙に写し取れるのではなく、じりじりと岩をよじ登るような苦心があるのだと思った。

 

 

後半の連作(65〜101)以外は撮影OKとなっていたので、筆者も何枚か撮らせていただいた。

 

場内は蛍光灯の明るい照明で、学校の教室のような床が剥き出しだったのだが、きっと可能であれば暗く照明を落として世界観を盛り上げたいところだったが百貨店のイベントスペースのためできなかったのかもしれないと想像した。

 

アクリル絵画も原稿用紙とおなじくらいのサイズで、絵の描き込みが細かかったり、セリフやタイトルが小さな文字で入っている作品が多いので、明るく見やすいのはメリットでもあった。

 

BGMと絵の世界観があっていて、上手に絵の中に引き込まれていくようであった。

 

 

ストーリー漫画よりもずっとあいまあいまのエピソードがスキップされて劇的なシーンのみが抽出されているのだが、顔のないロボットでありながら純粋で元気なふたりの少年少女が高度に発達した孤独な社会で出会い、どれだけ醜い環境の中に置かれようと美しい魂同士で結びつきあう壮大な時間を臨場感を持って体験したような気がしたのである。