ラムネのように細かい気泡が出る炭酸泉であることからラムネ温泉と呼ばれており、ラムネの味はしない。
東京大学名誉教授にして建築家の藤森照信氏が手がけた、おとぎ話のようなたたずまいの建物を入ると猫が館内を自由に歩き回っていた。
料金は大人500円、こども200円。先着順(電話予約不可)の家族風呂は2000円。
券売機でチケットを購入するシステム。蕎麦屋のような簡単な券売機だが、スタッフの人がつきっきりで購入をサポートしてくれた。
泉質は重炭酸イオンとカルシウム、マグネシウムを多量に含み、鉄分を含有しているとのこと。
売店では、炭酸ガスを除去したものをペットボトルの飲料水として販売しており、「硬水」と「超硬水」の2種類があった。
「超硬水」は飲みづらく、一気に飲むとお腹をこわすこともあるそうだ。
筆者は「超硬水」を購入し、飲んでみたが確かにおいしくない。
家に持ち帰り紅茶にして飲んだら味の渋みをやや、ごまかせてまあまあ飲みやすくなった。
驚いたのは、飲み終えたコップを洗うと、これまでクレンザーで磨いても落ちきらなかった茶渋がつるりときれいになくなったこと。マグネシウム豊富な水の威力を知った。
売店と風呂は建物が分かれており、ロッカーに貴重品を預けてから庭を渡って風呂場までむかう。
庭には真っ黒な犬の像がぽつんと立っておりかわいらしかった。
シャワー室で体を流してから、入浴である。大浴場にはシャンプーや石鹸は備え付けていないので、各自必要であれば持参のことを。(家族風呂のほうには備え付けがあるそうだ)
大浴場は「内湯」と「外湯」があり、金色の壁のペイントが印象的な漆喰で作られた内湯は、モロッコにでも来たかのような不思議な魅力のあるデザインだ。
内湯のお湯の温度は42度、炭酸水素温泉のにごり湯となっている。
内湯のお湯は炭酸感がなく、よりラムネ温泉を感じられるのは外湯の方だ。
しゅわしゅわと銀色の泡がはじける外湯は、32度とぬるめの炭酸泉。
ふたつに仕切られた湯船のうち、手前側にだけお客さんがたくさん入っており、奥の湯船は無人。
なぜなのか気になり、まずは奥の湯船に入ってみたら、水と言っていいほど温度が低く、炭酸も弱め。これが決め手かどうかは知らないが、湯船の底には小さなカニが死んで沈んでいた。
やはり人気の手前の湯船がおすすめだ。
特にお湯の出てくるところにつかると、いちばん炭酸が強く肌へのぱちぱちした刺激が面白い。
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