激落ちくんに操られる年末

「寒い年末に大掃除などしたくない」という強い意志のもと、国民の師走の儀式・大掃除を無視してすごすのが例年の筆者。

名誉のために述べておくと、掃除機をかけたり、雑巾をかけたりといった通常の部屋の掃除は毎日しているのであるが、大掃除というのは「普段行き届かないところまで全部やる」ということである。

 

今年は調子が狂った。

 

何気なく買ったスポンジタイプの「激落ちくん」に操られるように浴室をすみずみまで磨きはじめてしまった。しかも2Daysである。来日コンサートかと思った。

洗剤も併用してはいるものの、激落ちの名に恥じない活躍ぶりに「生涯の友」と決め込んで次は洗面所を磨き始めてしまった。

 

恥ずかしながら設置してから一度も掃除したことがなかったエアコンの室外機にまで掃除の手は及んだ。

「次はベランダ側の窓を磨かなくちゃ」と呟いた時、はっとした。

 

「憑依現象」ということばが頭に浮かんだ。いま、筆者には激落ちくんが乗り移っているのである。