屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ【今年見た映画】

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ

「治安の悪いエリアには近づかない」をモットーとする筆者が今年唯一見たホラー映画である。

 

1970年代のドイツ・ハンブルグに実在した、「歯のない年取った娼婦」ばかりを狙った連続殺人者フリッツ・ホンカを題材にした作品。

 

ホンカが逮捕された時、彼の住むぼろアパートの屋根裏部屋からは四人の被害者の遺体がみつかったという。

 

ホンカはアルコール依存症。また、交通事故の影響で外見が醜くなったことをコンプレックスにしていたという。

ネット上で閲覧できる本人の写真を見ると、斜視であることは特徴的だが醜いというほどでもないように思ったが、実際に女性にはまともに相手にされなかったそう。

(結婚していた時期はあるようだ)

 

行方不明になってもかえりみる人のいない、くたびれた娼婦たちばかり狙ったわけである。

 

狭く散らかったホンカの部屋には壁一面に切り抜きのポルノ写真がはりめぐらされ、少女の人形が何体か置かれている。死体の匂いをごまかすためのデオドラント剤が数本。 

 

行きつけのバーでなんとかナンパに成功した娼婦をこの部屋に連れ込み、暴力をふるいながらしばらく同棲したり、きょうだいを呼んでおもしろくもない会話を交わしながら食卓を囲んだり、異様だが地味で、いまにも壊れそうだが淡々とした日常がえがかれる。

 

ホンカは性的なものも含む虐待など、つらい環境で育ったらしい。また、交通事故による影響などもあるのかもしれない。

しかし、作中ではレイプと殺人を繰り返すホンカの異常性について、情状酌量の余地をあたえるそれらのエピソードはあえて排除されている。

 

 

事件発覚当時40代であったホンカを演じるのは、1996年生まれ、20代の俳優ヨナス・ダスラー。特殊メイクで顔を崩しての出演である。

 

ホンカが屋根裏部屋で娼婦を殺すシーンで見せる引き締まった美しい体つきや、肌艶の良さを見ると、顔が多少まずくてもその肉体美を見せつければいくらでもモテるんじゃないか、とどうしても思ってしまった。

 

写真引用元 https://www.imdb.com/name/nm7179786/